農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【『種をまく人』 これ わたしのことね】

すぐに読める本読みました。

怒涛の日々の中、本を読む時間を取ることは意識しているのだけれど、実は、読むのが遅いから、やっぱり数日かかります。
だから、難しい本はなかなか読めない。
読めない時間が長くなると、どんな物語で、どこまでお話が進んでいたのか忘れちゃう。だから、できるだけ短くて読みやすい本ばかり読んでいます。


『種をまく人』著:ポール・フライシュマン 訳:片岡しのぶ

 

貧民街の一角にあるゴミ溜めと化した空き地の一画に、(それもできるだけ人目につかないところに)ベトナム人の少女が、自分だけの理由で豆を植えることから始まります。その様子を隣のアパートメントの窓から見ていた白人のおばあさん、そのおばあさんに頼まれた学校の用務員、その用務員さんが空き地で畑を作っているのを見たグアテマラからの移民、、、、。この本は、ベトナムの少女から続く13人の人々が、この空き地とのかかわりをリレーのように語っていく、その物語りで構成されています。
空き地の一画に関わっていく人の人種も年齢も性別もばらばら。
空き地への関わり具合もいろいろです。
でも、空き地が大切な場所となっていく様は、読んでいるとまるで、「まちづくり」のようだと感じました。
種をまくひと、育てる人、環境を整える人、一緒に加わる人、気になりながら傍らで眺める人、興味を持たずに通り過ぎる人。


ベトナム人の少女は、自分だけの理由で、自分のために種をまきました。
そして、他の人も、自分のために種をまいています。
誰一人として、そこを「楽園」にしようとは考えていません。
でも、結果として、そこは、「楽園」になっていくのです。



「なんか面白いイベントやりたいね」という人。
「子どもたちの喜ぶことしたいね」という人。
私の周りにはそんな人がいます。
私はそれぞれのことを知っているけれど、それぞれは、知り合い同士もいれば、初めましてもいる。でも、心根は明るく優しく面白い人ばかり。みんなが集まれば、絶対に盛り上がること間違いなし。

先日、そんな人たちに集まってもらって、顔合わせの会をしました。
これが、最近私がまいた種。
最初から「楽園」を作ろうとは思ってはいないけれど、私はもっと私のために種をまいていけばいいのだなって、なんだかいい意味で力が抜けました。
本のように単純にはいかないだろう。そんなことは十分わかってる。
でも、種をまかないことには芽吹かない。そして枯れないよう水を与え、絶えないよう見守り続ける。これが私のまちづくりの仕事なんだなと、改めて思ったのでした。