農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【初体験 煎茶道の初釜】

今日は小笠原流煎茶道の初釜へ。
初釜の場所は、なんとわが職場、交流センターの和室。
久しぶりのセンターです。今年初めてだ(笑)。
今日は祝日なので職員は不在で、シルバー人材センターの日直さんが一人、事務室にいるはずです。正面の自動ドアから入館すると、事務室から丸見えで恥ずかしいので、裏口から入館(笑)。

着物は、黒の付け下げ。

 


この着物は、もともとピンクの付け下げだったのを、上から黒に染め直しているみたいです。新品ではないけれど、中古でもなくって、車で言うと「中古車」みたいな感じかな。新品の時は淡いピンクで、黒にリメイクして私に出会ったといったところみたいです。白いところは絞りで色がついていません。そこに、松の葉をイメージした刺繍がしてあります。
帯は、組みひも帯。この松の葉の刺繍と同じような色使いの袋帯を合わせました。
帯も着物も別々のタイミングで私の元にやってきましたが、今回のように運命的というほどに色合わせや格合わせができたのは、なんだかとても気持ちが良いものでした。

今回の初釜では、何を着ていけばよいのか、かなり悩みました。
自分が学んでいる流派ではないし、社中の初釜でもないし、煎茶道は、未知の世界。
無難に、淡い色合いの訪問着に吉祥紋様が入った帯なんかがおめでたくて華やぐから、その路線でいこうかなと思ったのですが、いや、待てよ・・・と思案。

初釜で黒を着るのはちょっと勇気がいるが、着物は付け下げで十分「格」はある。柄も「松」だからお正月にぴったり。そして控えめに金糸銀糸が入っている。
お呼ばれの立場で伺い、煎茶の席を楽しむことが1番の目的である私にはぴったりなんじゃないかなと思ったのです。
そういうわけで、堂々と着て、思いっきり楽しんできました。

煎茶道は、お抹茶のように茶筅でお茶を点てたりすることはしません。
急須でお茶を注ぎ分け、みんなで味わっていただく、とても和やかな空間でした。
用いる茶器やお道具も小ぶりなものが多く、「作法」や「型」はあるものの、それを遵守することに縛られ過ぎない柔らかさを感じながら、お茶をいただいてきました。


※画像は、「小笠原流煎茶道」ホームページより

 

いろいろな世界があるということを知るのは楽しい。
自分が知っていることがすべてではないし、それが必ずしも正しいとは限らない。
煎茶道のことを全く知らない私に声をかけてくれて、受け入れて、同じ時間を過ごす。これだけで、煎茶道の世界のやさしさだとか、柔らかさを知ることができるのです。
さて次は、私が誰かに、世界のやさしさと柔らかさを伝える番です。
そういうことを、いつも自然にできる人になれるといいな、そう思った初体験でした。