農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【読んで 呼ばれて また 読んで 】

今、読んでる本。

f:id:mosgreen3111:20210720164916j:plain


『ポケットに 物語を入れて』ー角田光代 小学館


この本は、ちょっと前に図書館から借りていた小川洋子さんの『カラーひよことコーヒー豆』の本を返しに行ったときに出会った本。

そもそも、家には「積読」状態の本がたくさんだし、土日の度に田んぼ仕事なので、よっぽど意識して読書の時間を捻出しないと本なんて読めない毎日。だから、借りてた本を返却するだけで、借りるつもりなんて毛頭なかったんだけれど、どうしてこの本を選んで借りてきてしまったのかはよくわからない。こんな状態なのに、本を借りてくるなんて、そしてどうしてこの本が今手元にあるのか、そういう状況を思い出そうとしても思い出せないなんて、「選んだ」というよりも、「選ばれた」とか、「出会った」といった方がいいのかも。そうじゃなければ、よっぽど私の記憶がおかしい、そう言えると思う。

 

今回借りてきた『ポケットに物語を入れて』について簡単に説明すると、
文庫本を買うと必ず本文の最後に、作者以外の人が書いた「解説」が載っていて、この本は、作者が、ほかの人が書いた本のために書き記した「解説」ばかりを集めている、ちょっと変わった本なのです。

いつも寝落ちしちゃうから、なかなか読み進めないんだけれど、この一冊からいろんな読書欲が刺激されています。
本を読むということは、「正解よりもはるかに巨大なものがあり」、一冊の本に、「正解の読み方なんてなくて、どこに触れてもいいのだし、どこにも触れられなくてもいいのだ」と、角田氏が読み方の助言をくれる。そして、読書というものは「寛容なんだ」と気持ちを楽にしてくれる。
だから、難しい印象の太宰治だとか、気難しそうで敬遠していた開高健だとか、読んでみたくてたまらなくなる。
そして、作者の子どものころからの読書量にも圧倒され、これまで書いてきた「解説」の幅の広さにも驚かされる。その幅は、大正から昭和初期の作家のものから最近の受賞作家のものまでという歴史の幅と、文学、文芸、ミステリーから旅日記やガイドブックに至るまでというジャンルの幅でもある。

世の中には、たくさんの本が出版され、そのほとんどが読んだことのない本。
それなのに、本を紹介する本に出会い、その本がまたさらなる出会いを導いてくれている。もう、不思議、不思議、不思議のスパイラルにはまってしまいそう。
そんなことを思いながら読んでいます。
読みながら、手帳に何冊もの本の題名とその作者を走り書きしてるからね、だからきっと、この本を図書館に返却にいって、また新しい本を借りてきてしまうんだろうな。

つまるところ、わたしにとって、読書の楽しみって、出会う喜びなんだろうな。