農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【民藝に惹かれる】

 

少し前に、お友達がとある本を紹介してくれて、ぜひその本を読んでみたいと思ったのだけれど、古い本なので地元の図書館にあればいいなと思い、蔵書検索に行きました。
残念ながら検索にヒットせず。
携帯でその本と著者を調べてみると、たくさんの本を書かれている方で、とても興味を惹かれたので、その中から2冊を中古で購入してみることにしました。


せっかく来た図書館だけれど、土曜日の仕事帰りにちょっと寄っただけだったので、ほかに読みたい本をじっくりと探す時間もなく、でも、駐車券を無料にしたいから、なにか軽く目を通せるものを借りて帰ろうと、カウンタ―傍の月刊誌コーナーへ。

絵本のある暮らし月間MOEの棚から、大好きな加古里子さんと安野光雅さんが特集されたバックナンバーを見つけ出し、選ぶ。
この二人の訃報は、本当に寂しさを感じたなあ。
好きなことを続けていくこと、好奇心を持ち続けること、そして何より、ユーモアを忘れてはならないこと、このお二方に共通していることは、これらをごく自然体にしなやかに体現されていたように感じるところかな。

そして、その隣の棚で目に映ったものが、月刊芸術新潮
そのバックナンバーを何気に眺めていると、、、

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「これからを生き抜くための 民藝」

おお、これはたまらない。
何せ今、生活に密着した必要不可欠なもの、その機能と美しさに惹かれ、丁寧に暮らすために「働く」、そして「労働」ということが「暮らし」そのもの・・・ということを強く意識している私にとって、これは手元においてもいいのではないかと思ってしまったのです。
とりあえず、この2冊を借りて帰ることに。


隙間時間に少しずつ、「民藝」の提唱者柳宗悦のこと、そして民藝って?を紐解く解説や東京にある日本民藝館の紹介など、丁寧に特集されたページをゆっくりかみしめながらめくっています。

そして、最近私の前にちょこちょこと現れる家庭料理研究家の「土井善晴」氏。

mosgreen3111.hatenablog.com


この方が日本民藝館で大切に所蔵されている器に塩おむすびや漬物を実際に盛り付け、取材に答えているのだけれど、
「民藝にならって、料理とは何かを考えてみる。自然の移ろいをみながら、無理なく暮らすところに自分らしい美がきっと表れる。」
「さあて、あなたは衣食住を自分でつくっているだろうか。」
と、旧柳宗悦邸の食堂のウィンザーチェアに座り、にっこり笑った写真で語り掛けてくるのです。

私は料理が苦手。
自分でそう思っているけれど、毎日の献立を考え、そして毎日料理をしている。
土井氏が言うように、「日々、料理をする人が美を作っている」のならば、私はもう少しそのことを意識したほうがいいだろうし、そしてこの毎日の「暮らしのための労働」に自信を持っていいし、そしてもっと楽しんでいいのだろうな、いや、むしろ楽しむべきで、その思いに気付かずにきたから、自信が持てず窮屈な思いをしているのかもしれないな、そう感じたのです。

土を耕すこと、食物を作ること、それを料理すること、それらが繋がって暮らしていくことが成り立っているんだな、最近はそんなことをよく考えています。