農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【宮部みゆき著『三島屋変調百物語』】

ひょんなことから、宮部みゆき著三島屋変調百物語シリーズを読んでいる。

著者は、自分を「怪談作家」と自覚しているようで、百物語を書いてみたいと思い書き始めたそうだ。
最初は、JAグループが発行する雑誌「光の家」に2006年1月~2008年7月までに連載。
それらが角川書店から刊行されたのが、私が今回読んだ百物語の始まり「おそろし」である。

三島屋変調百物語事始

 

川崎宿の旅籠の娘おちかは、とある事情から江戸で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫婦の元へ行儀見習いとして身を寄せている。叔父の伊兵衛は、実家に帰れないおちかに花嫁修業をさせて嫁に出すつもりでいたが、おちかは女中として忙しく働くことで自らの過去を頭の隅へと追いやろうとしていた。

ある日、伊兵衛が急な所用のため、訪問が予定されていた客への対応をおちかに任せて外出してしまう。他人に心を閉ざしているおちかは不安に駆られるが、自分を信用してくれた叔父のためにも、客に非礼があってはならないと覚悟を決める。客は、庭に咲く曼殊沙華に恐れおののくが、おちかに対して自分の過去にまつわる怪をぽつり、ぽつりと話し始める。帰宅後、おちかから事の顛末を聞いた伊兵衛は、江戸中から不思議な話を集めるとして、おちかにその聞き役を務めるよう言い渡す。

やがて、一度に語り手は一人だけが黒白の間(こくびゃくのま)に招かれ、聞き手はおちか一人だけの「変わり百物語」は三島屋の看板となる。

 

2006年に始まった百物語は、今も続いていて、「三島変調百物語九之続」まで出ている。百までまだ半分以上あるけれど、それでもこつこつと書き続けているのだろう。
私もコツコツと読んで追いかけていこう。

やっと2冊目


今気が付いたのだけれど、私は江戸が舞台の怪奇や不思議を描いた小説が好きなのかも。
畠中恵著の「しゃばけ」シリーズも大好きで、新刊が発売されるたびに買い求めて読み続けている。
一つ一つの話はそれぞれ独立しているけれど、各章の話や登場人物がさりげなく繋がっていたりするのもいい。
怪奇や不思議だけで終わるのではなく、人情、温かさと哀しさ、ままならぬこと、今も昔も人の営みの基本はかわらないということを、テンポよくいろんな角度からいろんな出来事を通して読み手に伝えてくれる、そんなシリーズを熱心に読んでいるだけのことなのだろうけれど。

三島屋変調百物語は、NHKなんかがドラマ化していそうだと思っていたけれど、調べてみたら、やっぱりNHK BSプレミアムにて、ドラマ化されていた。