農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【桜の着物のこと】

3月はよく着物を着ました。
月3回のお茶のお稽古の時はもちろん、
着物クラブの仲間と着物を着てお出かけもしたし、
子どもたちの卒業式もありました。

普段着ばかりの私にとって、
卒業式の時は、母に譲ってもらった色無地と、控えめ訪問着なんかに袖を通し、
厄年に義母に買ってもらった、きれいな刺繍がほどこしてある丸帯や、
義母に譲ってもらった袋帯を選んだりと、
同じ着物をまとうにしても、いつもと違って、
やはり「式」に臨むという厳かな気持ちも一緒にまとっていたのだなと
振り返って思うのです。

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そして、3月は、去年着そびれた桜の着物に袖を通しました。

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桜の時期に桜の着物を着るのはちょっと野暮かなって思っているんだけれど、
お茶の先輩と約束して、お稽古だけだからって、
二人で着物の見せあいっこをしました。

「桜の時期に桜の着物を着ることは野暮」っていうのは、
やっぱり、どんなに美しく絵付けされて
どんなに美しく染められて、
どんなに美しく織り上げられていて、
どんなに美しく着付けていたとしても、
やっぱり自然が作り出した美しさに敵うものはなく、
特に桜に対する日本人の美意識というものは非常に優れているので、
桜の着物に関しては特に、シーズン到来前に楽しむようにしているのです。

和服の世界では、季節前倒しくらいがちょうどいいみたいで、
そういうことを意識した着付けをされている人、
ぱっと見わからないけれど、季節やその場を感じさせること、
あるいはそういうものを忍ばせた着付けをされている人を見ると、
「粋」だなと感じてしまうのです。

そして、桜の着物に関しては、もう一つ。
だいたい、草花の着物は、そのシーズンに着ることがふさわしいみたいです。
梅、椿、藤、アヤメ、モミジ、菊。。。
でも、桜は「国花」であるため、年中着てかまわないそうです。
でもこれは、桜の花や、花びらが描かれている場合であり、
もし、絵柄に「枝」が描かれている場合は、やはり春先がベストだそうです。
これは、きもの屋さんや、きもの仲間のお姉さま方とお話ししていて仕入れた意見であるので、絶対に正しいということは断言はできません。
あくまで、私が着物を着るにあたり、
自分も周りも、心地よくいられるように気を付けていることの一つに過ぎない
ということをお伝えしておきますので、よかったら参考にしてください。

昨今の着物離れの理由の一つに、
着物の決まり事の煩わしさというものがあります。
でも、基本、私は着たいときに着たいように着ています。
普段、洋服も皆さん好きなように着ているから、
和服もそれでいいと思います。
普段の着物から慣れ親しんで、
着ているうちにいろいろ見聞きして知識が増えていくと思います。
実際、私もそうだったし、とりあえず自分で着れるようになると、
着崩れせずによりきれいに着たいと思うし、
着物に興味が湧くし、自分にも興味が湧きました(笑)
歩く姿、立ち姿、振る舞い、自然とそういうところにも意識がに広がっていって、
20年以上の年月を経て今に至っています。
そして、知れば知るほど奥深く、知らないことだらけで、
「自分が何も知らない」ということがわかることは、
なんだかおもしろくて心地よくて、
これからも気張らずに着物ライフを楽しんでいきたいなと思っています。