農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【静かな冬の朝と私のこと】

今朝は大霜だった。
真っ白に凍った畑。
静かで、みんな息を潜めている。
でも、太陽の光が届いたところから、真っ白だった氷が透明に輝きだす。
静かで固くなっていた空気が一気に柔らかく溶けていく。
朝の忙しい時間だけど、そのわずかな変化の美しさにしゃがみこんで見入ってしまうほどだった。


「美しい」といえば、小さいころから、手のきれいな人にあこがれがあった。
自分の指が太く短いのもあって、細い指に爪の形が綺麗な人がうらやましかった。
着物を着たりするときに、爪を整えて、透明あるいは、ごくごくうすいピンクのネイルをしていた時期があった。
でも、どんなに整えても、ほぼ毎日土を触る環境では、きれいな爪はつかの間の夢の如し(笑)。

若いときは恥ずかしくて人前に出すのが嫌だった自分の手。
いまでは、太くても短くても、爪の手入れをしていなくても、「恥ずかしい」なんて思わなくなってしまった。
いつもどこかしらけがをしているし、指先はたいていバサバサしている。
それでも、恥ずかしくないのは、「恥ずかしさ」より、はたらきものの手として「勲章」のように感じているからかも。


あんまり自分の体には構わないタイプの人間で、化粧もほとんどしないし肌のお手入れなんかもわりと無頓着。
今まではそれでよかったかもしれないけれど、今は、更年期真っ盛りのお年ごろ。
このままではよくないなと思い、あらためてじっくりと自分の腕や足を眺めてみる。
最近は、腕やふくらはぎがだるだるになってきて、いわゆる「はり」というものが失われ「うるおい」も感じられず、肘や膝の皮膚が硬くなってきている。
今から労わってあげなければ。


「美しいもの」で始まった今朝の出来事だったはずなのに、終わりは美しさから遠く離れた悲しい現実にたどり着いてしまった(笑)。