農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【ストーブの前で】

ああ、いやだいやだ。
今日は、15時半から、参加したくない会議に入らねばならない。
事務局だから、司会進行しなければ。
レジメも作ったし、資料も準備した。
準備7割っていうじゃないか。
この会議はほぼ成功といってもいいくらい。
センター長も同席するし、全員が敵ではないし、準備もしてるし、大丈夫。
それでもイヤな気分は払しょくされない。
予想がつかない展開が待っていることが多いから。
それが「面白い」と感じられればいいのだけれど、彼らが単に「わがまま」を言っているようにしか聞こえないから。
自信のない自分と自信満々の自分とが会話する。


毎朝、子どもたちが部屋にやってきて、ストーブの前で丸まりながら、
「あー、学校行きたくねー」
とぼやく。
ほぼ、毎朝。
「今日の時間割、クソみたいなんよねー」
「五教科に体育とか、クソやろ」
「今日は、○○と△△が、専願入試で学校おらんけ(いないから)、おもしろくない」
「今日、午前中、ずっと英語なんねー。2次試験対策しよる方がマシ」
などなど、一通り学校に行きたくない、それなりの理由を述べて、ストーブで体を温める。
あれこれと言いながら、ストーブの前を取り合いしながら、制服に着替え、そしてまた、丸まる。
時間になると、それぞれが部屋から出ていく。
「いってらっしゃい!!」
後ろ姿に声をかける。
たぶんおそらく、毎朝こうした儀式めいたことを行うことでエネルギーを溜めてから、学校へと向かっているのだろう。


案の定、今日も子どもたちがやってきた。
冴えない顔してストーブの前に座る。
すかさず、
「あー、かあさん、今日、つまんない会議があるから行きたくないんよねー」
「みんな権利ばっかり主張して、義務を果たさないから、つまんないんだよねー」
とぼやいてみた。

黙って聞いた後、今日も負けずに自分たちの「行きたくない理由」を語る。
みんな本音を吐露して、そのことに関してとやかく干渉せず、言いっぱなし。

しばらくストーブの前に座っていた次男。
立ち上がって部屋を出ていくときに振り向いて、こう言った。
「かあさん、がんばってね」


いや、もう、頑張れる。
頑張るしかないでしょ。
うん、そうだ!
かあさん、がんばるよー!

 

朝の儀式、効果抜群!
そうか、朝のあのストーブ前の儀式は、こういうことだったのか。
納得!の朝。