農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【「音のある風景」が掘り起こす記憶】

3日間の連休のうち、最初の1日はもみすり。
美味しい新米ができました。
我が家が作っているお米は、福岡県産米「げんきつくし」。
粘り気があって、私は好きです。
冷めてもモチモチしていて、おにぎりなんかは最高です。
みなさんのコメントも嬉しく拝読いたしました。
いつもあたたかいコメント、ありがとうございます。
個別の返信ができなくて、こちらで感謝を述べさせていただきました。

連休の残り2日は、次男の吹奏楽ステージ応援。
コロナで、コンクールもフェスティバルも、保護者の観覧はずっとできず。
できても生徒一人に保護者1名だったり、外せない野良仕事で行けなかったり。
家族そろって、しかも、二日連続で観覧できる。
なんてしあわせなこと!!


まずは、筑豊地区中学校による文化発表会。
会場は隣の市の小さなホールだったけれど、音の響きが素晴らしいホールで、迫力いっぱいの演奏を聴くことができました。


吹奏楽連盟が主催するコンクールなどになると、課題曲と自由曲の「演奏のみ」だけれど、フェスティバルや発表会などの気軽な演奏会となると、ポップスなんかも聴けて楽しい雰囲気。そしてなにより、気楽な演奏が始まる前の時間が大好き。
自分たちで椅子を並べ替えたり、楽器を運んだり。それが終わった生徒からそれぞれがおもむろに音を出し始める。それぞれの楽器が好きなようにばらばらに音を出していたかと思うと、いつの間にか4拍子で揃った音合わせが始まる。


どうしてこの時間が好きなんだろうって考えたら、「自分の中学生時代が思い出されるから」という回答にいきつきました(笑)。

私の中学生時代は、部活をしに学校に行っていたものでした。
部活はバスケ部。しかも弱小。
バスケは5人でする競技なんだけれど、当時の部員はギリギリ5名でした。
どの部活が人気があったかというと、まさに、「吹奏楽部」。
母校の吹奏楽部は強豪で、毎年金賞受賞、九州大会出場も珍しくない学校でした。
部活が始まる前、練習着に着替えて、ボールを抱えて体育館に移動。バスケットシューズの紐を結んだりしているちょうどその頃に、校舎の方から吹奏楽のバラバラな音出しが聞こえてくるのです。
高く響き渡る音。低く押し寄せてくる音。どんな楽器がどんな音を出しているのかなんて全然わからないけれど、ほぼ毎日繰り返される音出しを聞きながら、自分たちの練習が始まるのでした。

中学校を卒業して30年以上経って、この「音出し」の風景に出会った時、とても懐かしくて、気持ちが高まってきたことを覚えています。
次男が吹奏楽部に入らなければ得られなかった感覚。
そして、思い出というほどのエピソードがあるわけでもない日常が、知らないうちに音と結びつき、私の青春の日々が、こんな形で刻まれていたのかということに気付かされて、音が紡ぎ出す記憶というものに、深く感動したのでした。

連休最終日の卒部コンサートでは、そんな私の思い出と、これから次男の思い出になっていくだろうその瞬間を共有しているという不思議な気分を味わいました。
それは時の流れの不思議とでもいうのだろうか、「吹奏楽」という音が創り出す不思議とでもいうのだろうか。
こういうところの想いをなかなかピタッと当てはまる言葉で言い当てることができないもどかしさを味わいながら、幸せな時間を過ごしました。

吹奏楽ってすごいね。
それぞれが違う楽器、違う音を出しながら、一つの曲を奏でる。
力強く、そして優しく。
一つの楽器で、一つの音楽で、さまざまに繰り出される音の響きに、すっかり酔いしれた2日間でした。

 

仲良し2年生。みんないい顔。