農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【食べ物を通した人とのやりとり】

ちょっと前の話。

うちになっている夏みかん
義父がなってるだけ全部を一度にちぎって倉庫に並べてました。
そのうちのいくつかを、台所仕事を丁寧にするお友達に届けました。
そうしたら、仕上がりの美しいマーマレードになって戻ってきました。
我が家の倉庫で並んでた野暮な夏みかんが、洗練されて戻ってきた(笑)。
とても同じ食材とは思えない(笑)。

その人は、料理をつくることも、食べることも好きな人。
週末を指折り数えながら忙しい毎日を過ごし、お休みの日に台所に立ってそれぞれの食材に向き合って手を加えていく。その作業に没頭することで、疲れが癒されて、明日に向かってエネルギーが満ちてくるんだそう。

手間暇かけて作られたマーマレード
マーマレードの味が濃ゆくて、苦みがなくて、そして色が美しい。
もう一度言っちゃうけど、とても我が家の倉庫に並んでいたモノとは思えない(笑)。


写真は、夕食作りながら台所で食べた時のもの。
夕食作りながら、パンに愛情こもったマーマレードをのせていただく。
こういうのって、お行儀が悪いのだけれど、でも、こういうのこそ、最高!!
もう一切れ食べたい衝動を抑えながら、
「おなかすいた!なんか美味しいものなぁい?」
って聞いてくる坊ちゃんたちにマーマレードを絶賛する私。
マーマレードは彼らが求めていた味とは違うみたい。
そう、マーマレードはちょっと大人な食べ物だもんね。
これは母さんが独り占め。

我が家にはあって当たり前だし、むしろたくさんありすぎて困るくらいのもの。
それが、我が家から離れた途端、誰かのときめきだったり癒しだったり、活力だったりになっていく不思議。
こういった食べ物を通した人とのやりとりが、これからの時代はとくに大切になってくるのだと、なんとなく思っています。
そして、こういったことが、これからの私の土づくりと野菜作りに欠かせないことで、私が大切にしたいと思っていることなんだなって改めて実感したエピソードでした。