農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【揺れる釜が思い起こさせたこと】

今日はお茶のお稽古。
いつものように着物でお稽古に臨んだけれど、なんだか着物の写真を撮る気にもならず。

でも、お稽古中に、ふと、思い出したことがあります。
15代鵬雲斎の言葉。

「一碗からピースフルネスを」



15代鵬雲斎大宗匠。1923年生まれ。
今年白寿を迎えられます。

第2次世界大戦中は、学徒出陣で海軍に入隊。その後、神風特攻隊に志願。
しかし、出撃命令の前に転属となり、同じ所属だった、後の俳優西村晃とともに、生き残ったそうです。
戦後、敗戦国として、そして生き残った者としての想いを抱えながら、アメリカ人将校へお茶を振る舞わなければならなかった経験が、後に茶道を通じて世界平和を訴えていく形となっていきます。
茶道というものが、ただお茶を点てて味わうだけではなく、実は、静かに同じ空間を共にすることで、自然と調和し、互いに精神的な交流を深めていくものであり、それこそが、平和を求める姿そのものであるということに気付かれ、「一碗からピースフルネスを」という言葉をスローガンに、今なお、茶道の国際的普及を通じて平和活動に尽力されていらっしゃいます。



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3月は「釣窯」。

ゆっくりと左右に揺れる釜を見ていると、寒い日と暖かい日を繰り返しながら、それでも確実に春が訪れるのと同じように、緊張と緩和を繰り返しながらでも、一日も早く、確実に平和が訪れるよう祈る気持ちになりました。