農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【悲しいほどに あっけなく】

昨日は思いがけず機械が故障し、

 

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今朝、メーカーさんが実演用の機械を運んでくれたのだけれど、

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自分たちのものでもないのに、まるで「新車納車日記念撮影!」みたいに、会心の笑みで納まってるのがなんとも面白い。
で、だんなさん、最新のコンバインに乗れるって、ワクワクしていたのに、なんと、「実演用なので、スミマセン、僕が刈ります」って、メーカー担当のお兄さんがサクサク乗って、手際よく刈り上げてくれました。
いやいや、最新の機械がすごいのか、お兄さんのドラテクがすごいのか、まあ、両方なんだろうけれど、あっという間に仕事を終えて、次があるからと、颯爽と帰っていきましたとさ。

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お兄さんが帰った後の田んぼ。
お兄さんが上手にコンバインを動かし、機械がきれいにワラを裁断した結果、田んぼには緑と薄いベージュのストライプ模様ができました。
落穂なんて、ほとんどなかったよ。
機械の性能が良すぎて、なんにもすることなかったよ。
ただただ機械のすごさと、お兄さんのドラテクに圧倒されるばかりでした。

新品コンバイン、400万円也!
弱小農家ではそう簡単に買えません。
ですので、どうしても中古の機械になるのです。
そうすると、製造終了となった型の機械が壊れた場合、部品がメーカーになかったりするのです。うちのコンバイン、25年前の機械なんだって。

こんなに機械の性能が上がれば、人手なんていらないな。
今の時代、一人でできることが前提で機械の性能も作られているのかな。
国が推奨する大規模営農のために、どんどん性能が良くなっているのかな。
とにもかくにも、手がかからなくてすごくあっけなく仕事が終わってしまったのです。

きつい作業だから、早く終わるに越したことはないだろう。
大規模で農業をしているところにとっては、とにかくスピードが大切だろう。
でも、今日のようにあまりにあっけなく過ぎてしまうと、お米作りの、お米一粒一粒の価値というものが軽くなってしまう気がしたのです。
効率化されることへのあこがれを抱きながらも、愚直に取り組むことにこだわり続けている我が家のような弱小農家の、「へんなプライド」みたいなものなのでしょうね。
まあ、機械化されて便利になるのはありがたいことだけれど、一粒一粒の米粒への愛情というものは失わないように、そういう気持ちでこれからも米作りを続けていきたいなあと思った次第であります(笑)。

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刈り取ってから、機械で6時間循環送風させた後、乾燥を始めます。
写真は、乾燥機に入っている籾の量を確認して、乾燥前の水分量を検定し、希望の乾燥具合を設定しているところ。

例年より作る量が半分になった今年の米作り。
うるち米の稲刈りが無事に終わりました。

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