農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【会ったことのない人の愛に包まれる感覚】

木曜日は、お稽古。
アイ ラブ キモ~ノ。

 

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この日の着物は、前回のお稽古の時と同じリサイクル着物。
汚れてもいいかなっていうレベルの着物(笑)
帯は、母から譲ってもらった名古屋帯
この帯、万能で、ヘビロテです。

帯がヘビロテな理由、
どんな着物にも合わせやすいていうのもあるんだけれど、
季節を選ばない柄がいいっていうのもあるんだけれど、
そして母から譲ってもらったっていうのもあるんだけれど、
この帯には、もう少し思い入れがあって・・・

 

 

私の母は、父を早くに亡くしています。
いわゆる私のおじいちゃん。
母が小学6年生の時に急死したそうです。
腕のいい大工さんで、長崎に仕事に行ってて、
心臓発作で亡くなったそうです。
母の母、つまり、私のおばあちゃんは、理容室をしていて、
お店は繁盛、住み込みで働くお弟子さんもいたそうです。
他人が家にいる生活に、お年頃の母は嫌気がさしていたそうで、
さらに、祖母は家のことはほとんどしなかったそうです。

母がいろいろなことを習ったのは、同居していた叔母さんから。
母は、「たかおばちゃん」って言ってました。
たかおばちゃんは、生まれつき足が不自由でした。
そのこともあり、未婚。
年齢が上がるにつれて、実家で生活しづらくなり、
たかおばちゃんの兄である、母の父の元で生活していました。
おじいちゃんが亡くなっても、たかおばちゃんは母の家にいて、
母と母の兄妹の面倒をずっと見てくれたそうです。

 

たかおばちゃんは、和裁士の資格を持っており、
着物を仕立てて生活費を納めていたそうです。
母の着物は、すべて、たかおばちゃんが生地から見立てて
縫い上げてくれたものだそうです。
着物だけではなく、帯も。
写真の帯も、そのうちの一つ。
母は、独身時代は、着物に袖を通していたみたいですが、
たかおばちゃんが亡くなって、さらに結婚してからは、
「着物は制服だと思っている!」
というほど、着物を着なくなっていました。


私が着物を着るようになって、母が譲ってくれた着物や帯は、
単純に「母の着物」というだけでなく、そこには、
「たかおばちゃんの母への愛がこもった着物」という、
想いが込められていると、勝手に解釈しています。
そして、「着物は制服!」と断言しているにもかかわらず、
ずっと大切に保管し、たかおばちゃんの話と共に私に譲ってくれたこと、
そのことで、「たかおばちゃんへの母の想い」が込められていて、
その想いを引き継いでいるのだなと感じています。


ただ着物を着て、楽しみたいのであれば、
リサイクルでもいいし、お値段が手ごろな既製品でもいいし、
手軽に家で洗える着物でもいいし、
好きな着物を自由に楽しんだらいいと思う。

一方で、着物の質にかかわらず、お金に代えがたい想いがある着物、
縁あって手元に来た着物、職人の技が結集された着物。
手元にはいろんな着物があって、
1枚1枚の着物に対し、それぞれ自分の気持ち、想いの違いがある・・・
そういうことに気づくことで、さらに着物が好きになる、
そして、気が付けば着物歴20年以上!!
ということに繋がっているんだと思う(笑)
着物のこと、語りだしたら、結構になっちゃうんだけれど(笑)

 

想いをはせる・・・そんな仲間が増えたことが、
今週、私の中で、すごく嬉しかったことの一つなのです。

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