農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【願いを込めて 磨く】

ずいぶん前に、長男が、部屋のエアコンが壊れかけていると訴えてきた。
具体的には、スイッチをいれてしばらくすると力尽きたり、あるいは、スイッチを入れても反応せず、なんども入り切りしているとやっと反応してくれるらしい。

それで、先日のイオン「穂ジャス祭り」の広告に入っていたエアコンの購入を即決する。1割がクーポン券で戻ってくること、さらに、私が普段使っているイオンカードで購入するとWAONポイントとなって戻ってくることが決め手となった。
他の家電量販店との比較はせず、エアコン自体もいろいろな機能は求めず、シンプルにしっかり冷やしてくれるものを選んだ。


壊れかけのエアコンを取り外して、新しいエアコンを取り付ける工事は、長男が不在の日に行った。
夏休みに入ってすぐの土日は、塾の強化合宿に申し込んでおり、北九州の会場に缶詰となる。近くのビジネスホテルに一泊の宿を取った。

土曜日の早朝、長男が出かけて行き、昼間にエアコンの工事で業者が来て設置してくれた。
長男は、日曜日の夜遅くに帰宅予定だったので、日曜日の昼間に汗だくになりながら窓掃除を終わらせた。

2階にある長男の部屋は、とにかく結露がひどい。
そのせいもあってか、よく見ると、窓枠にはカビ。
ずっと気にはなっていたのだけれど、休日は昼まで起きてこないし、そもそも部屋の掃除もそんなにしている気配がない。本腰を入れて掃除をするにも、私の都合もあって、じっくり掃除をする機会はなかなか得られなかった。
やっと掃除ができる。
というより、しないとやばい。そんなレベル。

幸い、エアコンの取り付けのため、壁際の机を移動させていたこともあり、カーテンを外して洗い、窓を拭き、窓枠もきれいに磨いた。
そして、窓の桟にたまった汚れも、ペットボトルの水を注ぎながら古歯ブラシできれいに掻き出して雑巾で拭き上げた。

ちなみに長男の部屋は、3方向窓がある。
それぞれの窓をきれいにすることでほぼ半日が過ぎ、洗濯が済んだレースのカーテンと遮光カーテンをそのままぶら下げて風を通しながら乾かした。
夜遅く長男が帰宅するころは、カーテンもすっかり乾き、そしてほのかに香る窓際になっていた。

長男の帰宅後すぐに、旦那さんと長男と次男とわたしと4人で長男の部屋に入り、エアコンのスイッチを入れて、新しいエアコンの動き具合を確認してみる。
新しく、よく冷えるエアコン。
エアコンの風でかすかに揺れるカーテンからほのかに感じる香り。
閉め切ったカーテンで、窓の変化が見えないため、わざとらしくカーテンを開けてみて、

「わあ、なんか窓が綺麗。外がよく見える。窓枠も真っ白!しかも、なんかいい香り!!」

と、とぼけてみせる。

「部屋に入った時から、なんかにおいが違うっち思いよったんよね」

と、長男も嬉しそう。
うん、よかった。

長男が帰ってきた喜びと、エアコンが付いた喜びと、窓がきれいになった喜びで、4人でひとしきりあれこれ言い合いながらじゃれ合った。

新しいエアコン、久しぶりの掃除できれいになった窓。香るカーテン。
来年の春、長男はこの部屋から未来へ羽ばたく。
またいつでも帰ってこれるよう、安息の場所を保ち続けよう。
そんな願いを込めて、窓掃除に明け暮れた。