九州国立博物館、略して「九博」。
今、あってる特別展は、こちら👇
いやいや、本当に素晴らしい作品をたくさん見てきました。
ガラスって、美しいなーって、単純だけれど、それが率直な感想。
知らなかったのだけれど、ガラスの歴史はすごく古い。
紀元前14世紀。
紀元前ですよ、紀元前!
古代のガラス作品が、発掘されるまで土の中で眠り続けたことで、化学反応が起き、使われていた当時とは全く違う作品となって現代の私たちの前に現れているのが、この壺の作品。
土の中で眠っていた刻(とき)が創り出した虹色の壺。
当時のガラス職人が決して意図しなかった、そして知ることのない輝き。
ロマンを感じずにはいられません。
館内の作品は、すべて撮影OK。これまたすごい!
それで、いくつか気に入ったものを写真に収めてきました。
👆:紀元前4世紀ごろのイランあたりで使われていた作品。
いろんなガラスづくりの技法が編み出され、金太郎あめのような小さな模様を入れ込んだ食器セット。おしゃれでかわいい。
光と影が創り出す芸術。
エミール・ガレの活躍で、「アールヌーヴォ」と呼ばれる芸術運動が活発になり、植物や昆虫といった自然を題材にしたガラス工芸品が注目を浴びるようになりました。
ガレは、様々なガラス技法を編み出し、特許を取り、パリ万博に意欲的に作品を出展。
グランプリを受賞し、高く評価されるようになります。
ガレと同じくガラス工芸を牽引したのがドーム兄弟。
ガレに憧れ、ガレと共に、ガラス工芸をフランスを代表する高級工芸にまで発展させました。
ガレの作品は、立体的で、重厚感があり、植物や昆虫の命が放つ輝かしさと、はかなさが映し出されています。そのほとんどが一点もので、堂々とした風格を備えた作品を多く残しています。
一方、ドーム兄弟の作品は、ガレと同じ植物や昆虫をモチーフにしていながら、軽やかでかわいらしく、同じ形の作品に様々なモチーフを施すことで、思わず揃えたくなるような購買意欲を刺激する作品作りへと移っていきます。
私がいいな、好きだな、と思って撮った作品のほとんどがドーム兄弟のものでした。
軽やかでかわいらしいモノの方が好みなんでしょうね。
ポスターの表紙を飾るのは、ガレの作品「菊にカマキリ文月光色鉢」です。
透明感あふれる青を表現する技法を確立し、「月光色ガラス」と名付けたガレ。
ガラスも植物も昆虫も、はかないばかりのものだけれど、どれも優しさと柔らかさと奥深さが感じられ、とてもよい特別展でした。