農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【坂口恭平=原作 道草晴子=漫画 「生きのびるための事務」を読む】

坂口恭平さんの『生きのびるための事務』を読む。

坂口恭平さんのことは知っていたけれど、興味を持つようになったのは、田舎教師&都会教師さんid:CountryTeacher)がブログで坂口さんの本を紹介しているのを読んでから。

田舎教師&都会教師さんの紹介する本はどれも興味深い。
そしてたくさんたくさんたくさん本を読んで紹介してくださっている。
田舎教師&都会教師さんのブログが本になればいいのに・・・って思うくらいめちゃくちゃ面白い。

坂口恭平さんは、本をたくさん書いている人なんだけど、なぜ『生きのびるための事務』を読んだのか。
それは、職場の隣の席の人が読んでいたから。
ぜんぜん「坂口恭平」とか読みそうにない人だったのに(勝手に決めつけてスミマセン)、「坂口恭平」の、しかも『生きのびるための事務』だから、ますますびっくり仰天、ひっくり返りそうだった(笑)。

そんな私のリアクションを、彼女は笑って受け止めてくれて、そして読み終わるとすぐに貸してくれた。
しかも、2冊。

「何かができるようになるための努力は無駄だから、一切するな」
「好きなことだったらほっといてもどんどん上手くなるから、それだけやれ」
「重要な事務は2つだけ。」
一つは〈スケジュール管理〉、もう一つが〈お金の管理〉。
〈スケジュール管理〉では、一日をどんなふうにつかっているのか円グラフにして見える化。そして、10年後、どんなふうに1日を過ごしていたいのかも具体的に円グラフ化。
10年後の1日は、やりたいことだけをいれる。
やりたくないことは1ミリも入れちゃダメ。
じゃあ、10年後そんなふうに過ごすためには、どれくらいお金があったらいいのかな?
ということで、お金を見える化してみる。

〈お金の管理〉では、1か月にかかるお金の量を書きだしてみる。
家計簿なんて必要なくて、「細かくやっていたら事務の時間ばかり取られて仕事にならない」とばっさり。
一か月にかかるお金をざっくりと管理して、望む1日の過ごし方のために、あとどれくらい必要かをはっきりとさせ、やりたくない≪労働≫をして漠然とお金を稼ぐのではなく、なにをしてどうやっていくら補うかを書き出す。
そうすれば、「お金がない」という漠然とした不安がなくなる。
どうやって「生きていくか」というイメージがはっきりとしてくる。
これが、やりたいことをやるための「事務」になるのだ。

「イメージできることはすべて現実になるんだよ。ただ誰もやってないだけ。」
「イメージがあるなら後はやるだけ」。
だから、やればいい。

行動あるのみ、だね。

やみくもにただ「行動する」のではなく、目的を明確にして、そのために行動する。
明確にすること、それが「生きのびるための事務」ということ。

「作家になりたい」とか「芸術家になりたい」だとか言うことは、「未来の夢」。
毎日原稿を書き続けること、なんでもいいから毎日絵を描くこと、それが「未来の現実」。
好きなことだけをして暮らしていくということに必要なことは、「いつまでも楽しく好きなことを続けられる」才能だけ。

坂口恭平さんが、作家であり画家であり、音楽家であり料理人であり、「いのっちの電話」で死にたい人のための電話サービスをしたりなど、いろんな坂口恭平さんになれたのは、「生きのびるための事務」をきちんと続けてきたということだけではないと思う。
「未来の現実」のための出会いだとか、チャンスということには敏感で、出会いを大切にし、その人達からの助言に素直に行動してきたことが今の成功に繋がっていると思う。
すぐに行動すること。
続けること。
毎日の事務が、未来の自分を創るーそのことがよくわかる本だった。

さて、私が本心からしたいと思っていることは何かな?
そのためにはどんな風に「スケジュール管理」と「お金の管理」をすればいいかな?

ぼんやりと考えていた「将来のこと」を「未来の現実」としてじっくり考えなおしてみるチャンスかもしれない。


書いて、行動して、現実にしよう。