農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【呪いを解く】

今年の夏以降、私の周りの近しい人はいろんなところに出かける予定が入っている。
旦那さんは北海道と神戸。
義父母は大阪。
一人暮らしの長男は、すでに長崎と佐賀行きを済ませ、東京行きを控えている。
義妹一家は海外。
そして次男は、岐阜、横浜、浜松への遠征が決まっている。
私は、あれこれと予定が入ってい忙しいわりに、すべて県内で、遠くへ行く予定はない。

先日の次男吹奏楽部の保護者の集まりで、8月にある岐阜遠征を聴きに行こう!という話が一部の保護者で進んだようだ。
岐阜の遠征は、8月5日。
前日の8月4日は、福岡県吹奏楽コンクール。(これは、7月28日にある筑豊大会で推薦されれば出場できる。もちろん、出場する気満々で、今、合奏に励んでいる)
コンクール出場後、子どもたちはそのまま福岡空港から名古屋へ飛ぶ。県のコンクールの結果は、空港で確認することになるらしい。九州大会にも行けるといいね。

8月5日、岐阜での出演時間は夕方5時の予定。
平日だし、出演時間が夕方5時ということも、働いている人や小中学生のいる家庭にとっては、なかなか思い切りがつかないようだった。
そういう私も、あれこれと行けない理由を考える。
こう見えて、人見知りだしね。
考えながら、一応、スケジュール帳を確認してみる。

そもそも、ここ20年間の間、家族をおいて一人で遠くに出かけるという経験をしていない。
いや、厳密にいうと、1度だけあったかな。
父が亡くなって間もなく、母の希望で大阪に歌舞伎を見に連れて行ったことがあったけれど、日帰りだったにもかかわらず「いい身分だ」と嫌味を言われ、「嫁」という呪いをさらに強める経験をした。
他にも、「母親だから」という強い呪いをかけているせいもあって、自分の中で、「遠くに行けない」という思い込みが、当然のように行けない理由を探させる。

ところが・・・
スケジュール帳はしっかりと空いてる。
珍しく、その前後も空白。
11月の横浜遠征の応援には、すでに外せない予定が入っているから行くことはできない。そう考えると、なんだか、「岐阜に行きなさい」と言われているような気がしてきて、気付いたときには、
「行く!」
と答えていた。

いつ出発するか、誰と、どうやって行くかということは、これから決まる。
こういうことをまとめることに長けている人が、JALの国内線航空券のタイムセールなんかを見つけて来てくれる。
日帰り弾丸ツアーになるかもしれない。
断片的に入ってくる情報を、なんだかわくわくしながら受け取っている自分に気付く。

これまで選ばなかった、選びきれなかった方を選択してみる。
そして選んだことを純粋に楽しむ。
自分を縛り付けているものから解放される、呪いが解ける、そんな時が、いつかきっとくるだろう。