農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【防災教育と公民館についての勉強会に参加する】

研修アウトプット第2弾です。

現代的課題対応研修「公民館事業活性化研修会」。難しい名前。
県内にある市町村公民館や交流センターなどの社会教育機関が果たす役割について、みんなで共有しましょうっていう、毎年行われている研修会です。
今回のテーマは「地域の防災・減災のまちづくり」。
これはもちろん、参加でしょう!ということで、ZOOMで参加。
神戸学院大学 現代社会学部 社会防災学科 前林 清和 教授の講話、北九州市小倉南区の市民センターと朝倉市のコミュニティセンターの事例発表がありました。

神戸学院大学の前林教授の講話は、「防災教育と公民館~地域防災力の構築に向けて~」というテーマでした。


日本は世界で稀にみる地震大国です。加えて温暖化による台風の大型化、豪雨災害も懸念材料です。南海トラフについては、30年以内に必ず起こるといわれています。
それなのに日本人は、「自分には禍は来ない。来ても自分は助かる」という希望的観測を持つ傾向があり、防災、減災の関心は低いというのが現状です。
この関心の低さや希望的観測には理由があって、それは日本人の自然に対する考え方、人生観、死生観が影響しているのではということでした。

そして、地域コミュニティといった視点で日本人を見た時、長く農耕社会を営んできたことによる社会規範を重んじる価値観、倫理観、武士道精神が強く影響しており、独立した「私」ではなく、他者とつながった「私」の存在に重きが置かれるのが特徴とのことでした。

一方で、昨今の地域コミュニティの衰退には、都市化、個人主義、家族形態の変化、少子高齢化などがあげられ、加えて、快適さ、便利さ、気楽さに慣れきってしまった現代人の生活様式の変化が大きく影響しています。
日常の気楽さと(災害時)の助け合いをどのように考えていくのか、それこそが社会教育の役割、出番です。
知識、意識、行動がそろった防災への備えと、具体的な災害をイメージして備えを実践し、発生時に最善を尽くして対応できる能力、この力を個人、家庭、地域が持つことができるよう公民館事業として働きかけをしていくこと、成功ありきの防災訓練ではなく、失敗から学び考え、その地域に適したより良き活動へ促していくことで、市民の防災力や、地域防災力が向上し、コミュニティ力の強化へと繋がっていくとのことでした。

研修では、実際に働きかけを続けている事例として、北九州市の市民センターと、朝倉市のコミュニティセンターの発表へと続いていきました。


最近では、個人情報保護の観点から、自治会長でさえ、援助が必要な人を把握できていない状況です。これに対し、朝倉市のコミュニティセンターでは、助けが必要な方は申し出てもらうというボトムアップ方式で、一人も取り残されない支援の在り方を構築してきているそうです。実際に豪雨災害に直面した市町村からの事例紹介は、具体的で、本当に参考になるのです。

私は防災士の資格をとったものの、その活動は未熟です。未熟だからこそ、地域の人と同じ目線で学ぶことができると思っています。知らなかったことを知るきっかけづくりや、気づきが得られるような働きかけをしていけたらいいなと思っています。小さなことから積み重ねて、いつか全体へと繋げていけたらいいなと思っています。