農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【苗にお弁当を持たせる】

週末が田植えで、昨日田んぼに水を入れ、代掻きをしました。

代掻きって何?っていうご質問をいただいたので、簡単に説明します。
代掻きとは・・・
田んぼに水を張って、トラクターなどで土を柔らかく砕き、表面を均等にならす作業・・・かな。
田んぼの中の高低差をできるだけなくし、苗に均一に水が当たるようにします。
表面が平らになることで、苗が定植しやしくなります。

代掻きは、田植え前に行う大事な作業なのですが、もう一つ、地味に大事な作業があるので、今日は、その作業を紹介します。

我が家では、だいたい田植えの3日前に毎年行っている作業で、
「弁当肥え(べんとうごえ)」といっています。
具体的には、
①ウンカ(体長5ミリほど セミみたいな昆虫)によるいもち病予防のためのお薬散布
②硫安による肥料散布
です。

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ジョウロみたいな入れ物に、顆粒の薬を入れ、なるだけ均等になるように、ばらまいていきます。そして、葉先に残った顆粒が根元に落ちるよう、長い棒で払い落とします。
ここまでが、①。
続いて②の作業にうつります。

まずは、「硫安」とは、なんぞや?


硫酸アンモニウムの工業上の慣用名で、セロファン、皮なめし、食品添加物などにも使われる、もっとも代表的な化学肥料である。速効性の窒素肥料で、窒素肥料の肥効は安を基準として評価されることが多い。

 

コトバンクさんより引用

 

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水10ℓに対し、硫安50gを20箱に散布
1箱あたり500ml散布・・・
一生懸命計算して、はかりにかけます。
そして、我が家の肥料や薬の計量に欠かせないのが、

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パーマンミニバケツ(笑)

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今年は100箱なので、計算がしやすくてよかった~♬
と、気分よくかき混ぜて硫安を溶かします。

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溶かした溶液を、これまた年季の入ったブリキのジョウロで苗箱にかけていきます。
しかし、ここで手が止まる・・・
ブリキのジョウロ、満タンで9ℓ。
溶液は全部で50ℓ。苗箱は100箱。
ありゃ、ジョウロ一杯で何箱かけたらいいのだろう???

あぁ、わかんないや。9ℓ満タン入れても重たいから、だいたいでいいや。
そうだな、ジョウロにたくさん入れて、だいたい15箱ずつくらいにしよう!!

ということで、鼻歌交じりにジョウロで水を撒いていく。
そして、15箱行ったところで、ジョウロがカラになり、溶液を汲みに行って戻ってきたときに、どこまで撒いたかわかるように、そこらへんにおちているはっぱを目印にする。

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そうして鼻歌交じりに、ジョウロいっぱいに溶液を汲んできて、苗箱のしるしのところまでやってきて、ハタと立ち止まる。
この目印は、「ここまで」なのか、それとも「ここから」なのか・・・
自分でしたことなのに、3歩歩けばもう忘れてしまっている!!どういうこと?なんて苦笑いしながら、この隣の苗箱から水をかける(笑)

そして、無事に100箱、鼻歌交じりのお弁当を持たせることができたのです。
最後に、葉水をかけてあげたらおしまいです。

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鼻歌交じりのお弁当を食べて、しっかり肥えて、田んぼで一人前になるんだよ!!