農家の嫁が働きながらこっそりつぶやく独り言

~仕事のこと、農作業のこと、家のこと、子どものこと、 何気ない出来事 ~

【宿命ってやつを・・・】

一途な想いで吹奏楽部へ入部した次男。
担当楽器を決めるため、いろんな楽器に触れさせてもらい、
先日、顧問の先生の前で一通りの楽器を吹いた。
そして、密かに「サックス」に想いを寄せる。

 

担当の楽器が決まった日、
夕方帰宅するなり、まっすぐに自分の部屋へ。
「なんの楽器になった?」ていう義父の問いかけに、
小さな声で
ユーフォニアム
ただ一言、そういっただけ。
そのあとは、部屋から鼻をすする音だけがしばらく響いてた。

ユーフォニアムなんていう楽器、知らなかった。
だから、どんなふうに声をかけていいかもわからなかった。


youtu.be

この動画のおかげで初めてユーフォニアムを知る。
優しくて、温かみのある音色。
でも、次男の涙の理由はわからない。
サックスに選ばれなかっただけが理由ではないと思うけれど。

そして今日。
次男が泣いていた理由を恥ずかしそうに話してくれた。
サックスじゃなかったこと、
ユーフォニアムに選ばれた理由が、
「一番優秀だったから」という理由だったこと。
一番優秀だったのなら、希望のサックスをさせてもらいたかったのに、
「あえて、ユーフォニアム」といわれたことが納得いかなかった。
笑いながらさっぱりとした表情でそう話し、
今日は元気に部活に行った。


職場の仲間に、次男のことを何気に話したら、
中学・高校と吹奏楽部で、
ユーフォニアムからチューバに担当が変更になった人がいて、
その人が教えてくれた。

ユーフォニアムが上手だと、
全体が格段によく聴こえるということ。
地味で不器用な楽器だけれど、
音色は金管楽器の中で一番輝いているということ。
楽器を理解することで優しくて深い音がでるようになるということ。
そして、次男が一番優秀だったからこそ、
ユーフォニアムに選ばれたんだろうということ、
それはまぎれもなく、顧問の期待だろうということ。


中学受験をして希望の学校に進学できなかった次男。
そして、地元の中学校に進学し、
吹奏楽に心を寄せ、密かに憧れる楽器を見つけたけれど、
その願いは叶わなかった。
けれど、それは、「思い通りにいかない」のではなくて、
彼の意志に関係なく巡ってくる、
変えることのできない「宿命」のようなものを感じてしまった。

ユーフォニアムという楽器。
地味だけれど、音色は優しくて、
吹奏楽にはなくてはならない存在。
そして全体を導く存在。

あまり期待はしちゃいけないけれど、
これから彼が響かせる音色が楽しみでしかたなくなった。