昨日のお稽古で、「許状」なるものをいただきました。
「許状」って、自分が習得したお点前より上の、より難しいお点前をお稽古できる許可書みたいなものかな。
裏千家では、ちゃんと習得するお点前の順番が決まっています。
許状種目と資格
許状種目 概 要 資格証
(申請条件)修道期間
の目安にゅうもん
入 門最も基本となるおじぎの仕方から始まり、割稽古(わりげいこ)と呼ばれる部分稽古を修得して、はじめてお茶を点てることになります 三種目の
一括申請が
必須
初 級2年~3年 こならい
小 習前八ヶ条と後八ヶ条の十六ヶ条の習い事であり、茶道の基本を養う上で最も必要な課目です ちゃばこだて
茶箱点茶箱(ちゃばこ)と呼ばれる箱を使って行う点前(てまえ)であり、季節により種類があります
取得することで初級の資格が得られますさつうばこ
茶通箱二種類の濃茶(こいちゃ)を同じ客に差し上げる場合の点前です 四ヶ伝の一つ 五種目の
一括申請可
分割申請も可
初級申請時に
「入門」~
「和巾点」まで
一括申請可
中 級からもの
唐 物茶入(ちゃいれ)が唐物(からもの:中国産)の場合の扱い方です 四ヶ伝の一つ だいてんもく
台天目天目(てんもく)茶碗を台にのせて扱う点前です
四ヶ伝の一つぼんだて
盆 点唐物茶入が盆にのった場合の点前です
四ヶ伝の一つわきんだて
和巾点名物裂(めいぶつぎれ)、拝領裂等をもって作った古帛紗(こぶくさ)の上に、袋に入れた中次(なかつぎ)をのせて扱う点前です
取得することで中級の資格が得られますぎょうのぎょうだいす
行之行台子別名「乱かざり」ともいわれ、奥秘の基礎となるものです
行台子をもって行います
「和巾点」から
1年経過後
三種目の
一括申請可
分割申請も可
上級(助講師)3年以内 だいえんそう
大円草大円盆(だいえんぼん)をもって行う格外の奥秘の手続きです ひきつぎ
引 次取得することで上級(助講師)の資格が得られます
所定の手続きを経て、弟子の許状申請(取次)を行うことができます(教授者となることができます)しんのぎょうだいす
真之行台子一名「奥儀」といわれるもので、行之行台子を充分に修得できた者に許されます 真台子(しんだいす)をもって行うもので、奥儀の根本となる重い習い事です
「引次」から
1年経過後
三種目の
一括申請可
分割申請も可
講 師3年以内 だいえんしん
大円真大円盆をもって真台子で行う格外の奥秘の手続きです せいひきつぎ
正引次取得することで講師の資格が得られます ちゃめい・もんきょ
茶名・紋許茶名は利休居士以来の歴代家元の「宗」の一字をいただくものです 修道を通じて資質を備えられた方に授与されます
取得することで専任講師の資格が得られます
「正引次」から
1年経過後
専任講師★適時 じゅんきょうじゅ
準教授取得することで助教授の資格が得られます 「茶名」から
2年経過後
25歳以上
助教授適時
※表は、「裏千家ホームページ修道のご案内」より
利休が茶道の道・学・実について百首作っているのだけれど、そのなかに、
稽古とは 一より習ひ十を知り 十よりかへる もとのその一
と詠んでいて、最初の基礎が最も大切なのであり、また最後はその出発点に帰ることを心得なければならないそうです。
上のお点前を習得するには、やっぱり、基本的なことが身についていないと深い学びが得られないなあということは、経験からなんとなく感じられます。
まあ、普通に年数続けていれば自然と次に進んでいくことができるのだろうけれど、
「学ぶ」ということに、終わりはないなぁと、お茶のお稽古をしていると気付かされるのです。
お点前の手順だとかお道具の名称だとか、そういうことで頭がいっぱいになっちゃうけれど、基本は、おいしいお茶を飲んで楽しいひとときを過ごしてもらうために、おもてなしに心を込めることが何よりで、そう考えるとやっぱり、「一期一会」なんだよなぁ・・・
達筆で、なんて書いてあるかよくわからない許状を眺めながら、そんなことを考えておりました。